日本周辺海域におけるアニサキス科線虫Contracaecum osculatum sensu latoとC.osculatum Aの生物学

書誌事項

タイトル別名
  • The biology of Contracaecum osculatum sensu lato and C. osculatum A (Nematoda: Anisakidae) in Japanese waters

説明

わが国周辺海域の魚類や鰭脚類にそれぞれ幼虫や成虫が寄生するアニサキス科線虫のContracaecum osculatum sensu latoとC. osculatum Aの生物学的知見を纏めた。わが国では1998年にC. osculatum Aが見出されるまでは,近年C. osculatum s. l.とされる線虫が型を付した名前や単にC. osculatumとして報告されてきた。これまでにC. osculatum s. l.はオキアミ類1種,海産魚類13種,鰭脚類6種から記録され,C. osculatum Aはスケトウダラとアゴヒゲアザラシに見出されている。C. osculatum s. l.の幼虫はスケトウダラとマダラ,特に前者によく寄生している。C. osculatum s. l.の幼虫を実験的に子犬に感染させると腸粘膜に穿入するため,人間の消化管壁にも穿入する可能性があり,実際にわが国で人体寄生例が2例知られる。

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