豊島処分地における作業環境中のダイオキシン類の挙動について

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タイトル別名
  • Behavior of Dioxins in Work Environment of Teshima Waste Disposal Site
  • テシマ ショブンチ ニ オケル サギョウ カンキョウ チュウ ノ ダイオキシンルイ ノ キョドウ ニ ツイテ

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抄録

豊島処分地の廃棄物の掘削・混合地点における作業環境中のダイオキシン類について,過去5年間のデータを基に粒子態とガス態の存在比率と気温及び粉塵との関係を調査した。作業環境中のダイオキシン類は,DL-PCBsと比較してPCDDs/PCDFsの毒性等量への寄与が10倍程度大きいことがわかった。また,粒子態,ガス態の形態別に挙動を調べた結果,PCDDs/PCDFsは一年を通して50%以上が粒子態として存在し,DL-PCBsは冬季には粒子態の存在比率が高いが,夏季には殆どガス態として存在することから,気温の変化により形態が大きく変化することがわかった。形態別ダイオキシン類の気温及び粉塵との関係では,気温の上昇に伴いガス態のDL-PCBsが増加すること,粉塵の増加に伴い粒子態のPCDDs/PCDFsが増加することが示され,気温の高い日や粉塵濃度の高い作業環境下では注意が必要である。また,異性体の構成比率から解析を行った結果,PCDDs/PCDFsの中でも特に1,2,3,7,8-PeCDD,2,3,4,7,8-PeCDF,2,3,4,6,7,8-HxCDF,2,3,7,8-TeCDDの寄与率が高いことがわかった。さらに,粒子態,ガス態別に起源の推定を試みたところ,粒子態ダイオキシン類については殆どが燃焼系由来,ガス態ダイオキシン類については,PCB製品由来,燃焼系由来等数種類の起源の要素が混在していることが示された。

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