リンゴ新品種「岩手7号」

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タイトル別名
  • New Apple Cultivar 'IWATE No.7'
  • リンゴ シン ヒンシュ 「 イワテ 7ゴウ 」

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抄録

「岩手7号」は,1991年に「つがる」を母として,「恵」を父親として交配を行った。2000年に初結実し,9月下旬に収穫できる中生品種で食味良く,着色しやすいなど特性が優れることから2001年には系統番号「岩手7号」を付し,本品種は果実品質および栽培特性が優れることから2008年3月14日に種苗法による品種登録出願し,2009年9月10日に品種登録された。樹姿は開帳,樹勢,樹の大きさは中程度である。花芽の着生は良く,早期結実性を有する。発芽期,開花期は「ふじ」とほぼ同時期である。果重は300g前後で,「つがる」より小さめで,果形は円形,果皮色は濃紅色から暗紅色で,さび等の果面障害が少なく,外観は美しい。糖度(Brix)は13~14%,リンゴ酸は0.3~0.4g/100mlと酸味が穏和である。果肉は「つがる」と比べ硬く,歯ざわりも良く食味が良い。また,剥皮後に果肉が褐変し難いという加工特性がある。岩手県農業研究センター(北上市成田)での熟期は9月下旬で「つがる」より遅く,「ジョナゴールド」より早い。生理落果の発生は,早期は無~僅か,後期は無~僅かである。受粉親和性は,「ふじ」,「つがる」,「きおう」,「さんさ」を花粉親とした場合,結実率は80%以上と高く,主要品種の花粉は親和性が高い。「岩手7号」を花粉親とした場合,同様に前述の4品種の結実率は90%以上と高く,主要品種に対して親和性が高い。2009年に「岩手7号」の種子親を「つがる」,花粉親を「プリシラ」と仮定した場合,SSR対立遺伝子は両親から矛盾無く遺伝しており,花粉親は「プリシラ」と判断した。黒星病抵抗性についての遺伝子解析からVf遺伝子は保有していなかった。また,接種試験から「王林」並みに黒星病に弱い。

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