ガーナの輸出用パイナップル産業の変遷と零細農家の役割

書誌事項

タイトル別名
  • Evolution of Export Pineapple Industry in Ghana and the Role of Smallholders in the Supply Chain
  • シンポジウム ガーナの輸出用パイナップル産業の変遷と零細農家の役割
  • シンポジウム ガーナ ノ ユシュツヨウ パイナップル サンギョウ ノ ヘンセン ト レイサイ ノウカ ノ ヤクワリ

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説明

グローバル化に伴い,途上国の生産者を取り巻く生産,販売環境はこの20年で大きく変化した。構造調整による途上国国内の流通網の民営化,特恵貿易協定などによる税制優遇措置,輸送インフラの整備による輸送費の軽減,また小売業者,多国籍企業の台頭などにより,先進国市場へのアクセスが拡大した一方で,国際競争の激化や食品安全基準の高度化もあり,参入障壁が高くなっている面もある。本論では,ガーナの輸出用パイナップル産業を事例とし,グローバル化の流れが途上国の生産現場にどのような影響を及ぼしているのかについて考察したい。まず,パイナップルの世界市場の変遷とそれに伴うガーナでの変化を紹介し,零細農家の役割が時代とともに変化してきたことを説明する。さらに,一次データを用いてパイナップル生産者,契約農家の特徴やパイナップル生産の利潤,生産者種別の生産費用などを分析する。また,同産業に生産者として参入するために必要な資質を計量経済学の手法で分析したところ,比較的裕福で,社会的・政治的資産を多く持ち,リスク対応能力を兼ね備えていることが,生産者として同産業に参入する条件であることが明らかになった。つまり,零細農家の中でも比較的多くの資産を持つものがこの産業には適しており,一様に零細農家の同産業への参入を促すことは危険を伴うことが分かった。リスク軽減のための加工業の発展が望まれる。

収録刊行物

  • 開発学研究

    開発学研究 22 (3), 1-8, 2012-03

    藤沢 : 日本国際地域開発学会

参考文献 (17)*注記

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