鳴瀬川中流域の水質と魚類生息状況の改善

書誌事項

タイトル別名
  • Improvement of water quality and fish habitation situation in Naruse River middle basin.
  • ナルセ カワナカ リュウイキ ノ スイシツ ト ギョルイ セイソク ジョウキョウ ノ カイゼン

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説明

これまで実施した鳴瀬川の生物モニタリング調査の結果を整理,解析し,水質環境の改善について検討した。付着藻類では識別珪藻群法により評価すると汚濁指数が低かった。底生生物調査では底生生物の個体数が増加傾向にあり,またBODの3年移動平均値が減少傾向にあることから鳴瀬川の中流域の水質は向上しているといえる。また,水質の向上に伴い,清浄な水域に生息するカジカは1998~2000年の3年間に1尾しか採捕されなかったが,2001年以降は毎年採捕されるようになり,2008年には60尾が採捕されるようになった。同様に清浄な水域に生息するヤマメについても採捕数が増加するとともに生息域の拡大が確認されている。これは,河川や海の汚濁軽減のため都市計画法や下水道法等により下水道整備が大きく進められたことや,家畜排せつ物法により畜産農家に家畜の排せつ物の適正処理のための管理基準が定められ,全経営体が基準を達成したことが要因になって,河川へ流入する汚濁物質量が大幅に軽減,水質が向上し,これにより清浄な水域に生息する魚類の餌となる底生生物が増加したためと考えられた。

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