ジャワ島における女性の主観的自律性と世帯のフードセキュリティー : 第4次インドネシア家族生活調査(IFLS4)を用いた定量分析

書誌事項

タイトル別名
  • Married Women's Subjective Autonomy and Household Food Security in Java : Quantitative Analysis Using the Fourth Wave of the Indonesian Family Life Survey
  • ジャワトウ ニ オケル ジョセイ ノ シュカンテキ ジリツセイ ト セタイ ノ フードセキュリティ : ダイ4ジ インドネシア カゾク セイカツ チョウサ(IFLS4)オ モチイタ テイリョウ ブンセキ

この論文をさがす

抄録

本稿では,第4次インドネシア家族生活調査の個票データを用いて,ジャワ島における既婚女性の主観的自立性と世帯の食料消費支出額との関係を明らかにすることを目的とした。家計支出に関する意思決定力を自律性の代理変数として分位点回帰を用いて分析した結果,低中位支出階層―とくに最貧層―では,家計支出に関する既婚女性の意思決定力が野菜類・果物類・魚類・肉類・乳製品類の1人当たり消費支出額にプラスの影響を及ぼすことが明らかとなった。また中位支出階層では,既婚女性と夫が協力して意思決定をしている世帯は,既婚女性のみが意思決定をしている世帯よりもさらに食料支出額は高くなる傾向が認められた。こうした分析結果から,低中位階層―とくに最貧層―のフードセキュリティを改善するうえで,家庭内における女性の自律性や意思決定力を高める施策が効果的であると考えられる。さらに中位階層については,家計支出の決定に妻とともに夫も関与するように促す啓発活動を推進していくことでより効率的な政策効果が期待される。

収録刊行物

  • 開発学研究

    開発学研究 23 (1), 23-31, 2012-07

    藤沢 : 日本国際地域開発学会

参考文献 (27)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ