千葉県印旛沼水系における外来種カミツキガメ(Chelydra serpentina)の食性

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タイトル別名
  • Food Habits of the Introduced Snapping Turtle (Chelydra serpentina) in the Imbanuma Basin, Chiba Prefecture, Central Japan
  • チバケン インバヌマ スイケイ ニ オケル ガイライシュ カミツキガメ(Chelydra serpentina)ノ ショクセイ

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抄録

カミツキガメ(Chelydra serpentina)は北米大陸原産の大型の淡水カメで,1960年代に日本に持ち込まれ,遺棄などにより野生化してしまったため,2005年に特定外来生物に指定された。本種は日本の在来カメ類より大型で繁殖力も強いことから,捕食や競争による在来生態系への影響が懸念されている。本研究では,千葉県印旛沼水系で環境省による駆除事業で処分されたカミツキガメを用いて,その食性を明らかにするために胃腸内容物の分析を行った。全体的には雑食性で,動物質から植物質にいたるまで幅広い内容の餌を採っていたが,その中でも節足動物のアメリカザリガニ(Procambarus clarkii)とイネ科植物のヨシ(Phragmites australis)が最も多く検出された。雌雄間および体サイズ間で食性に有意な差はなかったものの,大型の個体では,鳥類のカイツブリ(Tachybaptus ruficollis)や哺乳類のアズマモグラ(Mogera imaizumii)などの大型の脊椎動物を食べていることが確認された。

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