発生培地への成長因子添加による体外受精胚発生率向上効果の検討

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  • ハッセイバイチ エ ノ セイチョウ インシ テンカ ニ ヨル タイガイ ジュセイハイハッセイリツ コウジョウ コウカ ノ ケントウ

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抄録

体外受精発生率および発生胚品質の向上のために2種類の成長因子、上皮成長因子(EGF)とインシュリン様成長因子I(IGF-I)を単独または同時に発生培地に添加し、その効果を検討した。試験1として、EGFを0~200ng/ml添加したところ、100ng/mlまで添加量に比例してday8発生率が向上した。試験2として、IGF-Iを0~100ng/ml添加したところ、2ng/ml以上の添加で発生率の向上が確認でき、50ng/ml添加時に最も高い効果が得られた。これらの結果をもとに試験3として、EGF100ng/mlおよびIGF-I 50ng/mlの同時添加試験を実施した。day8発生率を比較したところ、成長因子無添加<IGF-I添加≦EGF添加<EGF・IGF-I同時添加となったが、5%血清添加に比べると有意に低い成績であった。(17.6~22.8% vs. 39.0%)さらに、試験3では発生胚の品質評価のために胚の二重染色も行って細胞数を計数したところ、有意差はなかったがEGF・IGF-I同時添加で最も多くなった。以上のことから、EGFとIGF-Iはウシ胚の発生率向上効果が、IGF-Iにはウシ胚の細胞数増加による品質向上効果があることが示された。しかし、血清添加と比較して成長因子の添加は、胚品質に関しては同等以上の効果があったものの発生率については及ばなかったことから、今後成長因子以外の添加についても検討する必要がある。

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