施設栽培ホウレンソウにおける休作中の降水量がホウレンソウケナガコナダニの発生に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Fallow Period Precipitation effects upon Seasonal Prevalence of Tyrophagus similis Volgin (Acari : Acaridae) with Greenhouse Cultivated Spinach
  • シセツ サイバイ ホウレンソウ ニ オケル キュウサク チュウ ノ コウスイリョウ ガ ホウレンソウケナガコナダニ ノ ハッセイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

奈良県内のホウレンソウ栽培施設において,冬期休作中の降水量が4~5月のホウレンソウケナガコナダニ(以下,コナダニと略す)の被害及び土壌中のコナダニ密度に及ぼす影響を調査した。4~5月の被害多発事例は雨よけ資材除去期間が長いほど,またその期間中の降水量が多いほど少なくなった。土壌中のコナダニ密度は,休作中の累積降水量が450~500mmに達するとほぼゼロとなった。また,そのために必要な雨よけ資材除去期間は約4カ月であった。水を入れたビーカー内でのコナダニの生存期間を調査した室内試験では,水面では12日程度,水中では5日程度までは多くのコナダニが生存した。また,コナダニの行動は阻害されるが,産卵・孵化は認められた。水面よりも水中での方が早く死亡する傾向があったが,孵化幼虫を含む全ての個体の死亡にはいずれも25日程度を要した。生産者へのアンケートでは,現行の雨よけ資材除去期間は「約4ヵ月」が22%を占めたが,休作期間を短くしたい意向を持つ生産者が多く,短期間でも取り組める耕種的防除法の開発が課題として残った。

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