中国黒竜江省双城市順利村一帯における農地土壌の特性と作物生育

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タイトル別名
  • Farmland soil characteristics and crop growth in Shuangcheng Shi, Shunli Cun Region of China
  • チュウゴク コクリュウコウショウソウジョウシジュン リムラ イッタイ ニ オケル ノウチ ドジョウ ノ トクセイ ト サクモツ セイイク

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抄録

独立行政法人国際協力機構の事業に参画し、中国黒竜江省で畜産廃棄物の有効利用と農地生産性向上のために当該農地の土壌調査を実施した。調査地域である黒竜江省双城市順利村は年間降水量約500mmの半乾燥地であり、降雨の大半が6月~8月に集中する。村内で乳牛約1300頭、豚1800頭を飼育しているが、畜糞等の農地への有効還元は少なく、大半は道路脇等に放置されている。村内中央部の水田地帯は排水性の悪い細粒グライ土壌であり、土壌pH(水)は平均8.2とアルカリ性が強く、交換性CaとMgは我が国基準の10倍と多い。一方、可給態リン酸とK含量は少なく、塩基バランスが偏っていた。丘陵地の畑土壌は地形的に塩基の溶脱・溶出が認められ、土壌pHも低く、CaやMg含量も水田土壌よりは低下していたが、我が国基準と比較すれば高いレベルであった。畑の主要作物であるトウモロコシの生育は、土壌pHやECと一定の関係は認められず、土壌硬度が高いと生育が悪くなる傾向が認められた。土壌硬度はマクロ団粒が増加すると低下し、マクロ団粒の発達は有機物含量の増加と関係があった。堆肥等有機質資材の施用は土壌の物理性を向上させ、作物生産への効果が期待できた。

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