放流メガイアワビ種苗の減耗把握の試み

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タイトル別名
  • An attempt to track the depletion of the released abalones, Haliotis gigantea
  • ホウリュウ メガイアワビ シュビョウ ノ ゲンモウ ハアク ノ ココロミ

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説明

1.2007年12月に鳥羽市国崎地先の造成漁場で放流された金属タグ付きのメガイアワビ種苗15,000個体(殻長31.3±3.3mm)の追跡調査を実施した。2.調査では,潜水観察による生残貝の密度と殻長の把握,およびへい死殻の回収によるへい死個体数の計数とへい死時の殻長の測定を行った。3.金属タグを活用することで、破片となっている殻からもへい死個体数の計数やへい死時の殻長の推測が可能であった。4.回収したへい死殻494個のうち,全体の61%が殻長35mmまでに集中しており,放流種苗の減耗は,放流直後に特に多いことが明らかとなった。5.放流直後の減耗要因は,殻の破損状況からへい死の少なくとも約6割は被食によると考えられ,害敵生物の一種としてイセエビが考えられた。6.殻長30mm台のメガイアワビ種苗は,殻長40mm台の種苗よりイセエビによる被食を受けやすいと考えられた。7.水槽実験でのイセエビによるメガイアワビ種苗の捕食は,実験開始3日目までに多く,それ以降での捕食は少なかった。8.イセエビによる放流直後の被食減耗を低減するためには,メガイアワビ種苗の隠れ場となるような岩の隙間などへの丁寧な放流を行うことが重要と考えられた。

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