水田におけるナマズ稚魚の生残

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タイトル別名
  • Survival probabilities in paddy fields in juvenile Japanese catfish(Silurus asotus)
  • スイデン ニ オケル ナマズ チギョ ノ セイザン

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抄録

1. 水田でのナマズ稚魚の生残に与える影響を調べるため,水田を利用した実験を計31回実施した。ナマズ稚魚を人為的に水田へと放流し,一定期間経過した後,中干しの際に流下した稚魚数を水田で生残したナマズと仮定した。2. 疑似ポアソン分布(family=quasipoisson),link関数としてlog関数(link=log)を指定した一般化線形モデルの解析結果から,水田でのナマズ稚魚の生残に影響をおよぼす要因は「水田への放流日」であった。「水田類型(慣行農法,無農薬農法,休耕田)」,「水田での養成期間(日)」,「水田の面積(m2)」は影響を及ぼすことはなかった。3. 水田はナマズ稚魚の成育に適した環境であるといえるが,重要な点として,放流時期の違いにより水田での生残が影響されることがわかった。また,人為的な放流をおこなう場合には,生物多様性保全を考え慎重におこなうことが望まれる。

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