飼育下における沖縄産タイワンキンギョの繁殖特性

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タイトル別名
  • Reproductive characteristics of captive paradise fish Macropodus opercularis from Okinawa, Japan
  • シイク カ ニ オケル オキナワサン タイワンキンギョ ノ ハンショク トクセイ

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抄録

保全対象としての位置づけが曖昧なままにされている絶滅危惧沖縄産タイワンキンギョMacropodus opercularisの固有性の一端を明らかにするため,飼育下における繁殖実験と初期飼育実験による繁殖特性調査を実施した。産卵数は319-581粒(472±110粒,平均値±標準偏差)で,受精卵には水面直下を浮遊するものと底層まで沈降するものの両方が認められた。産卵周期は,一定環境下(水温25±0.5℃,日長14hL-10hD)において4-10日間隔であった。受精卵は産卵後2日で孵化し,仔魚は孵化後6日目に摂餌を開始した。本研究で得られた結果を他地域産個体から得られた知見と比較したところ,沖縄個体群には,大卵化,産卵間隔の短縮,産卵数の増大などの傾向が認められた。沖縄個体群の繁殖特性は地方分化の産物であり,琉球列島に分布する個体群については独自の保全単位を設定し,保護策を講じていく必要があると考えられた。

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