登熟期の高温に適応する水稲コシヒカリの品質向上を目指した穂肥施用技術

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タイトル別名
  • Panicle Fertilizer Application to Improve Quality of Paddy Rice Variety Koshihikari Adapting to High Temperature during Ripening Period
  • トウジュクキ ノ コウオン ニ テキオウ スル スイトウ コシヒカリ ノ ヒンシツ コウジョウ オ メザシタ ボゴエシヨウ ギジュツ

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抄録

滋賀県の水稲主要品種である「コシヒカリ」において,登熟期が高温となる気象条件下においても生育後期の窒素栄養伏態を適切に保ち,安定した収量,食味および玄米外観品質を得るための穂肥施用法について検討した。1)出穂期に近い穂肥施用は,光合成能の高い上位3葉身への穂肥窒素移行量が少ない上,籾への移行量が多くなり,収量および食味を低下させる懸念があることから,穂肥は幼穂形成期14日後までに施用することが望ましい。2)穂肥の総窒素施用量3gN/m2は,気象(2008年:登熟期が高温,2009年:登熟期が低温)や作土土性(砂壌土および埴壌土)が異なる条件でも,精玄米重は1回目(幼穂形成期7日後)に2gN/m2,2回目(幼穂形成期14日後)に1gN/m2施用した区で多く,整粒歩合は1回目の施用量を減らし2回目を多くすることで高まるため,収量を低下させずに玄米外観品質を高めることは難しい。3)穂肥の窒素施用量は,気象(2009年:登熟期が低温,2010年:登熟期が高温)や作土土性(砂壌土および埴壌土)が異なる条件でも,2-1gN/m2よりも2-2gN/m2で精玄米重および整粒歩合が向上した。一方,玄米タンパク質含有率は穂肥総窒素施用量を3gN/m2から4gN/m2にすることで高まる傾向が認められたが,食味の適値とされる7.0%以下であった。

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