日本タマネギ市場における中国産生鮮タマネギの伸長要因

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タイトル別名
  • The growth factors of Chinese fresh onion in the Japanese onion market
  • ニホン タマネギ シジョウ ニ オケル チュウゴクサン セイセン タマネギ ノ シンチョウ ヨウイン

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説明

本稿では,日本タマネギ市場における中国産生鮮タマネギの伸長に注目し,同国産物の伸長要因を検討・解明することを課題とする。分析の結果,(1)日本国産とアメリカ産生鮮タマネギに比べ,中国産物は皮むきなどの簡易加工品が中心で,供給の周年安定化が著しく進んでいること,(2)これらの点は日本側の加工・業務用需要者にとって,単なる皮むき作業などの省略だけではなく,同作業に関わる投資などの諸費用の削減,そして加工工場などの稼働率の向上,さらに貯蔵保管費用の節約などにつながること,が明らかになった。これらの解明によって,日本タマネギ市場における中国産生鮮タマネギの伸長要因は,主に加工・業務用需要者の最終商品の製品段階でのコスト・費用の削減・節約であると判断できる。それゆえ,今後日本の野菜需要において加工・業務用が増大するにつれて,一次加工処理した製品,あるいは加工度が高い中国産野菜の輸入が増える可能性が高い。このため,日本にとって,いかに野菜の加工・業務用需要に対応するかが野菜生産総体に関わる重要な課題といえる。

収録刊行物

  • 農村研究

    農村研究 (117), 13-23, 2013-09

    東京 : 食料・農業・農村経済学会

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