1990年代末頃以降における切花輸入量の急増とその要因

書誌事項

タイトル別名
  • The rapid increase of cut flower import to Japan since the late 1990s and its causes
  • 1990ネンダイマツ ゴロ イコウ ニ オケル キリバナ ユニュウリョウ ノ キュウゾウ ト ソノ ヨウイン

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説明

本稿では,1990年代末頃以降における日本への切花輸入量の急増実態を明らかにした上で,その要因の究明を試みた。その結果,輸入量が増加したのは主に国内需要量の最も多い品目であるキクやカーネーションなどである。これらの主要品目の需要は特に彼岸,お盆,年末年始など物日のある月において,需要量が大量である。このような需要に対して,国内産地だけでは対応することが困難であり,加えて1990年代以降,切花卸売価格の低迷や生産者の高齢化などによって,主要品目を中心に切花の作付面積と出荷量が減少しているため,キクやカーネーションなどの輸入量は国内物日のある月を中心に大きく伸長している。また,1990年代以降不景気の長期化によって,切花への支出金額が減少しつつあり,多くの消費者が低価格品を購入するようになった。加えて,1990年代以降中国のような新興産地の輸出力が向上しているため,価格の安い輸入物が大量に国内市場に入るようになった。

収録刊行物

  • 農村研究

    農村研究 (117), 24-35, 2013-09

    東京 : 食料・農業・農村経済学会

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