霧ヶ峰の卓越風が半自然草原への樹木の侵入と定着に及ぼす影響

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タイトル別名
  • An influence of wind on invasion and establishment of trees into semi-natural grassland in Kirigamine, Nagano Prefecture, central Japan
  • キリガミネ ノ タクエツフウ ガ ハンシゼン ソウゲン エ ノ ジュモク ノ シンニュウ ト テイチャク ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

長野県中部の霧ヶ峰高原の,半自然草原内に残存する樹林から草原への樹木の侵入と定着に卓越風が及ぼす影響を明らかにするために,樹林の風上側(南側)と風下側は(北側)で樹林から草原にかけてのトランセクト調査を行った。樹種の分布を見ると,草原に広く分布するレンゲツツジやズミ以外の樹種は草原に面した樹林内にも分布することから,樹林から草原へと分布拡大したと考えられた。樹林の南側では北側に比べ林縁から離れたところで定着した数が少なく,樹高も低くなった。これは,南側では風によって乾燥環境になることで定着や樹高生長が阻害されたことが要因の一つと考えられた。樹林の北側では南側よりも風散布型の種子を持つ樹種が多く見られ,風下側である北側に南側よりも多くの種子が散布された可能性が示唆された。今後,草原の維持管理のために,土壌水分や積雪といった詳細な環境条件の調査が必要だと考えられる。

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