ブロイラーの腹水症の病態と予防

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タイトル別名
  • Pathologenesis and control of ascites in broilers
  • ブロイラー ノ フクスイショウ ノ ビョウタイ ト ヨボウ

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抄録

ブロイラーの腹水症は著しい増体に対して,心肺機能が追いつかないためにおこる代謝性疾病である。1980年代-1990年代に発生が増加した。その後発生は減少したが,最近ではまた増加の傾向がある。本症はいろいろな要因が重なって発症する。ブロイラーでは急激でかつ著しい増体により体内での血中酸素要求量が増加する。そのため血液量を増加させるために,心肺機能を働かせようとするが,増体に追い付かず,肺高血圧症,右心拡張,門脈圧亢進,腹水増加,死亡となる。組織学的には,心臓では,心筋線維壊死・石灰化,心外膜線維化,肝臓では肝被膜線維化,肝細胞の変性・壊死,肝小葉内の間質線維化がみられる。予防法としては,育種における抵抗性系統の選抜,寒冷対策,飼料成分の調製,呼吸器障害性病原体の予防,ふ卵中の酸素濃度調製等があげられる。

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