「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」の効果と課題

書誌事項

タイトル別名
  • Effects and problems of the 'Law for the Promotion of Traditional Crafts Industries'
  • 「 デントウテキ コウゲイヒン サンギョウ ノ シンコウ ニ カンスル ホウリツ 」 ノ コウカ ト カダイ

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説明

1974年に「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(以下,伝産法)」が通商産業省(当時)の主導で制定・施行された。同法は,産地形成の促進を通じて伝統的工芸品に関する産業の振興を図ることを目的とする法律である。同法に基づき,伝統的工芸品として指定されるには,第2条に規定される要件に適合することが要件となる(2012年現在,伝統的工芸品には212品目,217産地が指定)。1974年の法律施行以来,10年間は指定品目が相次いだが,この間も企業数・従事者数はともに減少を続けており,同法の当該産業の衰退を抑制する効果は不十分なものであることが確認されたこととなる。伝産法が,その効果を発揮し,伝統的工芸品産業の振興に寄与するためには,伝統的工芸品産業振興の社会的有意性をこれまで以上に明確にし,その上で同法の柔軟な運用をはかる必要があろう。具体的には,(1)伝統的工芸品産業としての指定要件の見直し,(2)「文化財保護法」との視点や理念の歩み寄り,(3)生産段階のみならず流通・消費段階をも視野に入れた法改正,等が当面の課題として挙げられる。

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