さけます類の人工孵化放流に関する技術小史(放流編)

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タイトル別名
  • Development of hatchery techniques for releasing juvenile chum salmon in Japan
  • サケマス ルイ ノ ジンコウフカ ホウリュウ ニ カンスル ギジュツ ショウシ(ホウリュウヘン)

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抄録

日本のサケ資源が1970年後半から増加し,近年では資源の変動は在るものの,来遊数は4,000~8,000万尾弱の高位安定を保っている。このような資源の増大は,適切な時期に健康な稚魚を放流する「健苗育成」と「適期放流」の考えに則って放流が行われた成果であることが広く認識されている。サケ稚魚の放流適期を知るには,河川および沿岸域での生態を明らかにすることが不可欠である。そこで,1969年より各地で沿岸調査が行われるようになり,サケ稚魚の分布,移動,成長,食性などの一端が明らかにされた。同時に配合餌料による給餌飼育技術も開発され,孵化場において健苗育成と放流時期の調整が可能となった。サケ稚魚を放流した時の沿岸水温と体サイズから評価モデルが構築され,放流の目安とされた。そのため,近年は放流時期が集中する傾向にある。沿岸海洋環境の変動予測は難しいことから,減耗リスクを軽減する放流技術の開発が望まれる。

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