果実の加工と放射性セシウムの動態

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タイトル別名
  • カジツ ノ カコウ ト ホウシャセイ セシウム ノ ドウタイ

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抄録

2011年に福島県内で収穫された果実の洗浄と加工による放射性セシウムの動態について調査した。洗浄試験の結果、事故によって拡散した放射性物質が花芽に直接付着したと考えられたウメ果実で放射性セシウム濃度が減少したが、それ以外の果実では変化はなかった。また、加工試験の結果、放射性セシウムはシロップや漬け汁などに容易に移行することから、液体を使った前処理や加工は放射性セシウムの低減に効果的であることが示された。しかし、乾燥や濃縮を伴う加工においては放射性セシウム濃度が高くなるため、原料の放射性セシウム濃度と加工後の重量変化に十分な注意が必要である。また、ジャム加工では砂糖などで原料が希釈されるため、加工後の放射性セシウム濃度は高くならないことが明らかとなった。

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