長野県小谷村伊折集落の存続要件 : 集落外居住血縁者による支持の実態に注目して

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タイトル別名
  • Necessary conditions for the continuation of Iori as a marginal community in Otari Village, Nagano Prefecture : Focus on the support by relatives outside the community
  • ナガノケン オタリムライセツシュウラク ノ ソンゾク ヨウケン : シュウラク ガイ キョジュウ ケツエンシャ ニ ヨル シジ ノ ジッタイ ニ チュウモク シテ

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抄録

「限界集落」という用語・概念が社会的に認知されるようになってから,20年あまりが経過した。集落診断の結果「消滅」が間近にせまった集落を指す用語として登場した用語であったが,当時「限界集落」として分類された集落のうち,2011年時点で自然衰退によって消滅したものはないことが,山下によって明らかにされている。このことは,集落が消滅せずに存続するための何らかの要因や機能が当該集落,あるいは生活者に備わっていたことを示唆している。そこで本研究においては,「集落外に居住する家族や血縁者が,集落生活者の日常生活を支えるものであり,集落の存続要件のひとつとなっている」との仮説を立て,振興山村であり,かつ過疎指定を受ける長野県小谷村伊折集落を事例として調査・検討を行った。伊折集落は65歳以上人口比率が54.5%(2013年現在)であり,大野の定義に因れば「限界集落」に該当し,現在においても同様の状況が進行する集落である。本研究では,この伊折集落における生活を支える要件の把握を目的として,生活および経済面について家族構成との関連について考察を行った。調査結果は仮説を否定するものであり,集落外居住の血縁者は当該集落の生活を支えるものではないことが明らかになった。

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