ニホンジカにおけるSarcocystis sybillensisおよびS. wapitiの感染状況

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タイトル別名
  • Prevalence of Sarcocystis sybillensis and S. wapiti infection in sika deer, Cervus nippon centralis, in Japan

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抄録

2010年11月から2012年3月までの期間に埼玉県で捕獲されたホンシュウジカ84頭についてSarcocystis感染状況を調査した。Sarcocystisはシスト壁の厚いタイプ1とシスト壁の薄いタイプ2の2種が検出された。タイプ1の生鮮シストは1,400-2,200×40-160μmの大きさで,7-9×0.3-0.4μmの指状のvillar protrusionが観察された。タイプ2の生鮮シストは1,370-2,100×35-120μmの大きさで,4-7×0.3-0.4μmの毛穣のvillar protrusionが観察された。タイプ1及び2はいずれも犬への感染が成立し,プレパテントピリオドはいずれも10日,スポロシストの大きさはそれぞれ,15-17×10-12μm,16-17×10-11μmであった。以上の形態学的特徴等からタイプ1はS. sybillensis,タイプ2はS. wapitiと同定された。Sarcocystisは84頭中83頭(99%)にみられ,その内,S. sybillensisは81頭に,S. wapitiは83頭に観察され,高い感染率を示した。

収録刊行物

  • 動物の原虫病

    動物の原虫病 28 (1), 20-24, 2013-12

    相模原 : 日本動物原虫病学会

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