導管液と茎アポプラスト液の微量相対ウレイド分析によるダイズの窒素固定依存率の推定

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  • Estimation of nitrogen fixation rate of soybean (Glycine max (L. ) Merr. ) by micro-scale relative ureide analysis using root bleeding xylem sap and apoplast fluid in stem

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抄録

相対ウレイド法は、圃場栽培ダイズの窒素固定依存率を推定するための簡便で信頼のできる方法である。一般に主茎株切断面から溢泌する導管液中の硝酸、アミド、ウレイド濃度を分光光度計を用いて比色定量する。我々は、通常の分析で用いる導管液量50μLの代わりに、その1/20の2.5μLを用いる微量分析法を開発した。呈色反応は、1.5mLエッペンドルフチューブ内で行ない、呈色液200μLを96穴マイクロプレートのウェルに入れ、マイクロプレートリーダーで吸光度を測定した。標準液を2連で測定することにより、精度の高い検量線の作成が可能であった。本分析法を用いることにより、1日に200試料を測定できた。また、生育後期(黄葉期R7)や、土壌が乾燥すると、導管液を溢泌しないことがあるため、確実に試料を採取する方法として、携帯型遠心器(2,200 x G,10秒)を用いて茎のアポプラスト液を採取した。茎は、主茎下部から2,3cmの長さで切り出し、1.5mLのエッペンドルフチューブに入れて回収した。茎のアポプラスト液は、時期や気象条件によらず株あたり30-50mg程度回収できた。各窒素成分濃度および相対ウレイドパーセントを比較したところ、R7では、導管液とほぼ同様の値が得られ、導管液の代わりに利用できる可能性が示された。しかしながら、R1,R5では、アポプラスト液のアミド,硝酸濃度が導管液よりも高く、相対ウレイドパーセントは、50%程度と導管液80-90%と異なる値となった。

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