キャベツ黒すす病菌保菌種子における病原菌の動態調査

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タイトル別名
  • Investigation on the movement of pathogen after germination on cabbage seeds infected with Alternaria sooty spots
  • キャベツ クロススビョウ キン ホキン シュシ ニ オケル ビョウゲンキン ノ ドウタイ チョウサ

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抄録

キャベツの種子伝染性病害として知られている黒すす病菌の胞子は、種子上では主に、へそ(珠柄跡)に見られ、種皮内部にはほとんど見られなかった。そして、珠柄跡が明瞭な品種(空隙等が大きい)では胞子付着等がやや多かった。保菌種子を吸水濾紙上では種すると、発芽後すぐに新たな菌糸伸長や胞子形成が見られるものが多かった。このことは種子の汚染が胞子のみでなく、厚膜菌糸等によるものも多いと思われる。また、黒すす病による子葉の黒褐色病斑の発生は、は種後3日以降から顕著となるが、保菌程度の高い種子では、は種1日後で子葉に病斑が認められた。このような種子の大半は発芽後座止し、枯死に至った。200穴セルトレイを用いた育苗培養土へのは種においては、吸水濾紙上よりも種皮上の胞子形成量や子葉の発病が少なく、覆土によって発病が抑えられていた。このことは、Alternaria属菌は気中での胞子形成が良いことからくるものと考えられる。以上より、黒すす病による感染は、種子の発芽後すぐに胚(子葉、胚軸、幼根)に生じていることから、展葉してからの予防防除のみではなく、種子消毒を含めた対策が必要である。

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