岡山県東部海域におけるイヌノシタ及びアカシタビラメの食性

書誌事項

タイトル別名
  • Food habits of the robust tonguefish Cynoglossus robustus and the red tongue sole Cynoglossus joyneri in the coastal region of eastern Okayama Prefecture
  • オカヤマケン トウブ カイイキ ニ オケル イヌノシタ オヨビ アカシタビラメ ノ ショクセイ

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抄録

1. 岡山県東部海域において,イヌノシタ及びアカシタビラメの増殖に必要な食性に関する資料を得るため,12年6~11月の間に採捕された計299尾の消化管内容物を調査し,全長段階別の食性変化や底質との関係を検討した。2. 全長100mm未満の幼魚期は両魚種とも底生かいあし類を主体に端脚目及びクーマ目などの小型生物群が重要な餌生物であり,成長するにつれ二枚貝網,多毛綱,長尾類等の大型の底生生物に食性が変化した。3. 泥場では二枚貝綱,砂泥では多毛綱や小型甲殻類,砂利では小型甲殻類が両魚種の重要餌生物と考えられた。また,アカシタビラメでは,多毛綱の重要度がやや低い傾向がみられた。4. 摂餌選択性からみると,時期や底質に拘わらず,二枚貝綱及び長尾類を中心とした小型甲殻類は両魚種にとって選択性が高く重要な餌料と考えられた。5. 両魚種の増殖を図るためには,成長段階別の食性を勘案し,餌料重要度指数及び摂餌選択性指数の高い餌生物が豊富に生息できる多様な底質環境を将来に渡り整えていくことが重要と考えられた。

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