ソーダ・アントラキノン蒸解スギパルプを用いた半回分培養法によるセルラーゼ生産

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  • Cellulase production by Trichoderma reesei in fed-batch cultivation on soda-anthraquinone pulp of the Japanese cedar

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抄録

林野庁委託事業により北秋田市に建設した木質バイオエタノール製造実証施設において製造したソーダ・アントラキノン蒸解スギパルプを炭素源とした酵素生産技術を確立するため、セルラーゼ生産菌Trichoderma reeseiによる酵素生産培養法を検討した。3-L容ジャーファーメンターを用いた実験では、培養液の十分な撹拌を維持するため、培養開始時のパルプ濃度を1%とし、セルラーゼ生産菌によるパルプの消費に伴いパルプを随時投入する半回分培養法を採用した。培養液のpH制御に用いるアンモニア水の添加量をパルプ投入の指標とすることにより、市販のセルロース粉末を炭素源とした回分培養と同程度の酵素生産性を達成した。さらにこの半回分培養法を木質バイオエタノール製造実証施設に設置された500-L容タンクを用いたオンサイト酵素生産運転に適用することにより実験室レベルと同様の結果が得られることを実証した。本研究はパルプを炭素源とした酵素生産培養の大規模化につながる成果であり、リグノセルロース系バイオマスを原料とするバイオリファイナリーの実用化に向けて大変有用であると考えられる。

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