富山県においてキクを加害するツヤマルカスミカメ属主要種とその防除対策

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  • Study of Apolygus species on chrysanthemum fields in Toyama Prefecture

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抄録

1. 富山県内のキクほ場およびヨモギ群落で確認されるツヤマルカスミカメ属の主要種は、ツマグロアオカスミカメである。2. ツマグロアオカスミカメを生長期のキクに3日開放飼したところ、株当り10頭以上の放飼区では茎の芯止まり、花とびなどの被害が再現され、本種が加害種である。3. キクにおける発生消長調査の結果、重要な薬剤防除の時期は、越冬世代が越冬株およびヨモギ等から飛来する5月中旬~6月上旬、および親株での越冬量を低下させるための9月~10月と考えられた。4. 収穫後は開花株に大量に飛来することから、不要な株は早急に処分して耕起することが周辺の密度抑制に有効であると考えられた。5. ツヤマルカスミカメ属は、ヨモギ、ヒマワリ、クロタラリア、シロツメクサなどへの寄生が確認され、主要な発生源となっていると推察されることから、これら植物の刈払後のキクほ場への移動・侵入に注意する必要がある。6. 薬剤検定の結果、ツマグロアオカスミカメに対して処理48時間後に90%以上の死亡率を示した薬剤はアセフェート剤、プロチオホス剤、マラソン剤、マラソン・BPMC剤、エトフェンプロックス剤、フルバリネート剤、チアメトキサム剤、フィプロニル剤であった。中でもエトフェンプロックス剤、フィプロニル剤は速効性であった。

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