培養温度の違いが家畜ふん堆肥中窒素の無機化特性に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of incubation temperature on mineralization of manure nitrogen
  • バイヨウ オンド ノ チガイ ガ カチクフンタイヒ チュウ チッソ ノ ムキカ トクセイ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

牛ふん、豚ぷん、鶏ふんの各種家畜ふん堆肥について、温度条件の違いによる堆肥中窒素の無機化特性を把握するため、ビン培養試験をおこなった。各畜種あたり10種、計30種の家畜ふん堆肥について、5,10,15,20及び30℃の温度条件下で培養し、培養開始後91日目までの無機態窒素溶出量を測定した。土壌水分量を最大容水量の60%として、5~30℃の異なる温度条件下で培養をおこなったところ、いずれの家畜ふん堆肥も、培養温度が高いほど速やかにアンモニア態窒素が減少し、硝酸態窒素の発現が進んだ。豚ぷん及び鶏ふん堆肥では、培養開始時の無機態窒素の大部分をアンモニア態窒素が占めたが、10℃以下の低温条件では一定期間ほとんど硝酸態窒素が発現せず、アンモニア態窒素も含めた全無機態窒素量は減少し、有機化が進む傾向であった。各温度条件で、鶏ふん堆肥からの硝酸態窒素の発現は、豚ぷん堆肥よりも速やかに起こった。供試した牛ふん堆肥のなかには、豚ぷん、鶏ふん堆肥と比較して、培養開始時から硝酸態窒素を多く含むものがあり、そうしたサンプルでは豚ぷんや鶏ふん堆肥とは異なる窒素無機化特性を示した。培養開始時にアンモニア態窒素を多く含む牛ふん堆肥については、豚ぷんや鶏ふん堆肥に類似した窒素無機化特性を示したが、硝酸態窒素の発現は各温度条件で豚ぷんや鶏ふんと比較して緩やかであった。

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