散気式オゾン水生成装置により生成されたオゾン水のウイルスおよび細菌に対する消毒効果

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タイトル別名
  • Evaluation of sterilize and virucidal effects of ozone water produced by the bubbling micro ozone gas mixture ozone water generator
  • サンキシキ オゾンスイ セイセイ ソウチ ニ ヨリ セイセイ サレタ オゾンスイ ノ ウイルス オヨビ サイキン ニ タイスル ショウドク コウカ

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抄録

オゾン水を畜舎や動物病院における消毒に有用な資材であると考え,ウイルスや細菌に対する消毒条件を検討した。オゾン水の生成には散気式オゾン水生成装置を用い,ウイルスはエンベロープを有する家畜ウイルスの代表として牛伝染性鼻気管炎ウイルス(IBRV),エンベロープの無いウイルスの代表として牛エンテロウイルス(BEV)を用いた。細菌はグラム陽性菌で抵抗性の強いリステリア菌,および芽胞の状態にした枯草菌を用いた。生成したオゾン水200mLに菌液およびウイルス材料1mLを加え1分間感作させた後,10倍階段希釈しPFU/0.1mLもしくはCFU/0.1mLを測定した。10,20,35℃いずれの温度下でも1.0ppmの濃度でIBRVおよびBEVは検出されず,従来の報告よりも低い濃度で有効性が確認された。芽胞に対しては10℃の条件下では5.0ppmのオゾン濃度でも殺菌効果はほとんど観察されなかったが,温度を35℃まで上昇させると3.0ppmのオゾン濃度で非常に高い殺菌効果が観察され,4.0ppmでは完全に殺菌された。リステリア菌に対しては,10,20,35℃いずれの温度下でも1.0ppmで高い殺菌効果が観察され,反応温度が高いほど殺菌効果は高かった。これらのことから今まで高濃度のオゾン水が必要と考えられていた病原体に対し,低濃度オゾン水生成装置から生成されるオゾン水でも温度を調整することにより高い殺菌効果を示すことが明らかとなった。

収録刊行物

  • 家畜衛生学雑誌

    家畜衛生学雑誌 41 (4), 117-125, 2016-02

    武蔵野 : 日本家畜衛生学会

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