四季成り性イチゴの周年栽培下での生育特性の解明

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タイトル別名
  • Elucidation of the growth characteristics of everbearing strawberry under year-round cultivation
  • シキ ナリ セイ イチゴ ノ シュウネン サイバイ カ デ ノ セイイク トクセイ ノ カイメイ

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抄録

本研究は,四季成り性イチゴを用いた周年栽培体系の確立を図るため,その基礎的な調査として,四季成り性イチゴの開花特性ならびに促成栽培および周年栽培下での生育,収量を明らかにすることを試みた。第一に,四季成り性品種であるなつおとめ,とちひとみ,サマープリンセスおよびサマーティアラを用いて,促成栽培における育苗時の環境要因が開花に及ぼす影響を検討した。採苗時期は6月中旬および7月中旬とし,育苗時の日長,窒素施肥量を変えて,定植後の各花房の開花日を調査したところ,第1および第2花房の開花日はなつおとめ,とちひとみ,サマープリンセスでは6月中旬採苗の方が早かった。第二に,日長条件を24時間とし,採苗時期と温度が各花房の開花に及ぼす影響を検討したところ,各花房の開花株率は,採苗時期が早い方が高く,温度は最も高い昼温35℃/夜温30℃で極端に低くなり,この傾向は第2花房以降の開花株率に顕著に認められた。第三に,四季成り性品種サマーティアラ,みやざきなつはるか,あわなつか,サマーフェアリーおよびなつおとめの促成栽培における生育,収量,果実品質を調査したところ,供試した四季成り性品種の収量はいずれも一季成り性品種のとちおとめより多収となった。果実品質は,食味,果実硬度で,いずれの品種もとちおとめより劣ることが認められた。第四に,なつおとめを周年栽培したところ,クラウン部冷却により年内の開花花房数,収量性が向上した。また,定植時期を4月下旬としクラウン部冷却を行い14か月間収穫すると,収量は10a当たり13.7t得られた。

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