酸化防止剤力価評価を目的としたDPPHラジカル消去能測定におよぼす反応溶媒の影響

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タイトル別名
  • Solvent effect on the DPPH radical scavenging assay for evaluating natural antioxidants as food additives
  • サンカ ボウシザイ リキカ ヒョウカ オ モクテキ ト シタ DPPH ラジカル ショウキョノウ ソクテイ ニ オヨボス ハンノウ ヨウバイ ノ エイキョウ

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抄録

本研究では,16種類のポリフェノール類を用いてDPPHラジカル消去活性に及ぼす反応溶媒の影響を詳細に検討した。MeCN系とトリス-塩酸緩衝液/EtOH系での活性値の比較により,トリス-塩酸緩衝液/EtOH系ではカテコール・ピロガロール構造を有する化合物の活性値がMeCN系より大幅に増加することが確認され,その増加がカテコール・ピロガロール構造の再生反応に起因することが示唆された。また,ABTS法との相関性を検証することにより,カテコール・ピロガロール構造の再生反応の有無が,DPPH法とABTS法の相関性を左右する重要な要因となっていることが確認された。さらに,FRAP法との比較により,トリス-塩酸緩衝液/EtOH系でのDPPH活性値には,酸化促進因子である鉄イオンに対する還元能がMeCN系よりも強く反映されていることが確認された。続いて,トリス-塩酸緩衝液/EtOH系での溶媒組成(混合割合)の影響を検討した結果,緩衝液の割合(濃度)増加に伴いカテコール・ピロガロール化合物の活性値が増加する傾向が確認された。さらに,緩衝液とEtOHの影響を個別に検証した結果,溶媒中での緩衝液(水)の割合が活性値を左右する重要な要因となっていることが示された。以上,本研究ではDPPHラジカル消去反応における溶媒条件の重要性を明らかにした。特に,カテコール・ピロガロール構造を持つポリフェノール類では,溶媒組成により反応挙動が大きく異なることから,規格試験法の設定においては溶媒組成を明確に規定することが必須と判断された。

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