乾乳前期の栄養水準が分娩後の生産性に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of nutrient levels during the far-off period on postpartum productivity in dairy cows
  • カンニュウゼンキ ノ エイヨウ スイジュン ガ ブンベン ゴ ノ セイサンセイ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

乳牛における乾乳前期の栄養水準が、分娩後の代謝機能と生産性に及ぼす影響について検討した。ホルスタイン種経産牛26頭(2~5産)を用い、乾乳前期(40日)のTDN要求量を80%(低栄養区、9頭)、105%(適栄養区、8頭)および130%(高栄養区、9頭)の3水準とした。乾乳後期(20日)は全処理区をTDN要求量の105%とし、分娩後は同一飼料の自由採食とした。1 高栄養区ではBCS回復が遅く、乳量低下が認められた。低栄養区では、分娩後のBCS回復が早く、泌乳持続性の向上が認められた。2 低栄養区では乾乳前期および分娩後のルーメンエンドトキシン活性が低く維持され、分娩後25日以内の初回排卵出現率が他の2区に比較して有意に高かった。以上より、乾乳前期における高栄養管理は、乳生産に悪影響を及ぼすことが明らかとなった。一方、乾乳前期における栄養制限は、周産期の代謝機能変化に対する適応性を高め、分娩後の栄養状態を改善し、乳生産を向上させた。さらに、乾乳前期の栄養水準は、分娩後のルーメンエンドトキシン活性および繁殖機能に影響を及ぼす可能性が示唆された。

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