白ワイン向けブドウ新品種‘モンドブリエ’

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  • 'Monde Briller', a new white wine grape cultivar

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抄録

‘モンドブリエ’は,山梨県果樹試験場において,1996年に‘シャルドネ’と‘カユガ・ホワイト’を交雑した実生群から選抜した白ワイン向けブドウ品種である。2008年より‘ブドウ山梨54号’の系統名でブドウ第12回系統適応性検定試験に供試し、全国5県の6場所において試験を行った。その結果,2013年2月に新品種候補として選抜され,2016年3月7日付けで種苗法に基づき第24866号として品種登録された。べと病耐病性を有しており,その程度は‘シャルドネ’,‘甲斐ブラン’,‘甲州’よりも高く、べと病耐病性を有する片親の‘カユガ・ホワイト’と同程度である。樹勢は“強”に分類されるが,観察上は‘シャルドネ’よりやや強い。花穂は1新梢あたり2~3花穂程度着生する。花振るい性は“中~多”で,‘甲斐ブラン’,‘甲州’と同程度で,‘シャルドネ’より多い。収穫期は育成地(標高440m)において9月下旬である。果実はマスカット香を有し,裂果の発生は“無~極少”である。果房重は170g程度,糖度は23.0°Brix程度,滴定酸度は0.75g/100ml程度である。ワインは,マスカット香を呈し,官能評価は高く‘シャルドネ’,‘甲州’と同程度である。系統適応性試験の結果から,東北地方から中国地方までのブドウ栽培地域で栽培が可能である。

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