北海道水田地帯における中山間地域等直接支払制度の運用と課題
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- 栗山町を事例として
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Abstract
type:論文
2000年から始まった中山間地域等直接支払制度(以下,中山間制度)は,日本の農政史上初の直接支払制度である。耕作放棄地の増加等により多面的機能の低下が顕著に懸念される中山間地域等において,担い手の育成による農業生産の維持を通じて多面的機能を確保することを目的としている。中山間制度の実施は,参加する集落の機能に大きく依存しており,制度運用の多くが地方自治体の裁量に委ねられているため,集落や地方自治体の創意工夫による効果的な運用が求められている。北海道では,2015年時点で97市町村(320集落)が中山間制度に取り組み,草地を中心に321,261haが交付対象面積となっている。主な取り組み事例として,コントラクターによる飼料収穫及び糞尿処理,エゾ鹿進入防止柵の維持管理や廃農機具等の回収,学校と連携した修学旅行生の受け入れなど地域の実情に応じて様々な集落活動が展開されている。そこで本論文では,北海道有数の水田地帯に位置する空知総合振興局管内の栗山町を事例とし,中山間制度の運用とそれを効果的に支える一般財団法人栗山町農業振興公社(以下,町公社)の取組みについて,町農政および町公社の事業展開を歴史的に整理し,北海道水田地帯における中山間制度の運用と課題について明らかにする。
identifier:911811
identifier:ZZ20008745
Journal
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- 北海道大学農經論叢
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北海道大学農經論叢 71 1-10, 2017-03
北海道大学農学部農業経済学教室