麻痺性貝毒による養殖トリガイの毒化の特徴

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タイトル別名
  • Characteristics of paralytic shellfish poison (PSP) from cockle Fulvia mutica cultured in Miyazu Bay
  • マヒセイ カイドク ニ ヨル ヨウショク トリガイ ノ ドクカ ノ トクチョウ

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抄録

2012年5月に,宮津湾で養殖されたトリガイから,食品衛生法に基づく出荷規制値(4MU/g)を超える毒力の麻痺性貝毒が検出され,それ以降4ヶ月間,規制値を下回ることのない事例が確認された。養殖海域のプランクトン調査や貝毒の成分分析から,原因種はGymnodinium catenatumと推察された。トリガイに蓄積された貝毒の成分は,弱毒性のC1+2およびGTX5+6が大部分を占めたが,強毒性のdcGTXやSTXも20~40%と比較的高い割合を占めた。トリガイが長期に亘り減毒しなかったのは,代謝されにくいとされる強毒成分の蓄積に加え,水温上昇に伴うトリガイの排出機能の低下にあると考えられた。毒の蓄積部位は,内臓および鰓であり,食用となる斧足や外套膜は規制値以下であった。

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