縞葉枯病抵抗性を備えた中生の極良食味水稲新品種「さとじまん」の育成

書誌事項

タイトル別名
  • Breeding of the rice variety 'Satojiman' with high eating quality and resistance to the rice stripe virus
  • シマ ハガレビョウ テイコウセイ オ ソナエタ チュウセイ ノ ゴク リョウ ショクミ スイトウ シン ヒンシュ 「 サトジマン 」 ノ イクセイ

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説明

「さとじまん」は、強稈で縞葉枯病抵抗性を備えた中生の極良食味品種を育成することを目標に、「関東175号」を母、「越南154号」を父とする交配組み合わせから育成された品種である。2001年から「関東209号」の地方系統名で、関係府県に配付して地域適応性を検討すると共に、耐病虫性及び品質・食味等の特性を調査した。2005年に「水稲農林406号」として登録され、「さとじまん」と命名された。この品種の特性は以下の通りである。1. 出穂期は、早植及び晩植栽培(それぞれ5月下旬及び6月下旬移植)では「月の光」並であり、育成地では“中生の中”に属する粳種である。成熟期は、早植栽培では「月の光」並の“中生の中”であるが、晩植栽培では「月の光」より6日遅く、“中生の晩”に属する。2. 耐倒伏性は「月の光」並の“強”である。3. 収量性は、育成地の早植栽培における標肥及び多肥(それぞれN成分: 6~8及び10~14kg/a)では「月の光」を6~7%程度上回り、収量性がやや高い。4. 白米のタンパク質含有率は、「コシヒカリ」並かやや低く、他品種より低い傾向が認められる。炊飯米の食味総合評価値は、早植及び晩植栽培共に「コシヒカリ」並の“上中”である。5. 麦跡晩植栽培で発生が問題となる縞葉枯病に対して、抵抗性遺伝子Stvb-iを保有し、同病害に対して“抵抗性”である。以上の特性から、「さとじまん」は縞葉枯病常発地や麦跡晩植栽培向けの中生の極良食味品種として、普及が期待される。

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