北海道の公共牧場における牛消化管内寄生虫の浸潤状況と駆虫対策の実態

書誌事項

タイトル別名
  • Epidemiology and deworming of gastrointestinal nematodes in cattle of public pastures in Hokkaido
  • ホッカイドウ ノ コウキョウ ボクジョウ ニ オケル ギュウ ショウカカン ナイ キセイチュウ ノ シンジュン ジョウキョウ ト クチュウ タイサク ノ ジッタイ

この論文をさがす

抄録

北海道の公共牧場における牛消化管内寄生虫の浸潤状況と駆虫対策の実態について調査を行った結果,1) 北海道全域に消化管内線虫,コクシジウムの感染が広まっている。2) 糞便中の線虫卵数が道北と道南で高い値を示した。3) 駆虫プログラムは「入牧・夏季・退牧」の3回駆虫薬投与が多く実施されていた。4) 7割以上の調査牧場で10年以上継続的に駆虫を行っている。5) 小規模牧場が大規模牧場より糞便中線虫卵数が有意に低い値を示した。公共牧場を効率的に利用することで1) 地域全体の育成牛の発育が均一化される,2) 将来の生産性を大きく向上させることができる。より有効的に公共牧場を活用するために,消化管内線虫感染対策として1) 地域や規模を考慮した適切な駆虫プログラム,2) 糞便中線虫卵数のモニタリングを実施する必要がある。イベルメクチン製剤も育成牛に投与する際に過剰を避け,効果が得られる最低量を適切な時期に用い,育成牛を効率よく衛生的に飼養することは,わが国の畜産の貢献に繋がると思われる。

収録刊行物

  • 家畜衛生学雑誌

    家畜衛生学雑誌 43 (4), 153-160, 2018-02

    武蔵野 : 日本家畜衛生学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ