The effect of mid-summer drainage days at the organic paddy field on population growth of the brown planthopper (Nilaparvata lugens Stal)

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  • 有機栽培水稲における中干し期間の違いがトビイロウンカの発生数に及ぼす影響
  • ユウキ サイバイ スイトウ ニ オケル チュウ ボシ キカン ノ チガイ ガ トビイロウンカ ノ ハッセイスウ ニ オヨボス エイキョウ

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Abstract

水稲の普通期栽培では,トビイロウンカは秋季に稲を枯死させ,減収被害をもたらすため,重要害虫とされている。特に,有機栽培では農薬が使えないため,被害がさらに深刻になる。水稲の栽培管理では,夏期に無効分げつ過繁茂抑制等を目的に水田内を乾かす中干しを行うが,この管理は,水面に近い株元を好むトビイロウンカにとって不利な生育環境になると考えられる。そこで,トビイロウンカの幼虫発生期間における中干しの長さがトビイロウンカの発生に及ぼす影響について検証した。2014年に,中干し短期として,中干し期間4日間と,中干し長期として中干し期間20日間行ったほ場においてトビイロウンカの発生数を調査した。その結果,成虫発生数は,9月下旬のピーク時点で,中干し長期0.2頭/株,中干し短期4.0頭/株,幼虫発生数は10月中旬のピーク時点で,中干し長期3.5頭/株,中干し短期27.4頭/株となり,中干し長期の発生が明らかに少なくなった。温度とトビイロウンカの孵化幼虫数および幼虫の生存率についてグロースチャンバーで調査したところ,孵化幼虫数および若齢幼虫の生存率は,最高40℃の方が,最高37℃に比べ、20から30%低かった。老齢幼虫は放飼10日目までは差がなかったが,その後,最高40℃の方が生存率は低くなった。これらの結果から,中干しを長期間行うと,ほ場内の温度が高くなり,トビイロウンカの生存率が低下するためほ場内での発生数が抑制されると考えられた。

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