タマネギの春まき作型確立のための各種病原菌の発病温度特性の把握

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  • Temperature characterization of pathogenesis of onion pathogens for development of spring-sowing summer-harvesting culture

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抄録

春まきタマネギ栽培で防除対象とすべき病害を特定するとともに,収穫後の適切な温度管理条件を定めるため,各種病原菌の鱗茎における発病温度特性を調査した。その結果,発病適温が30℃以上の病原細菌はBurkholderia spp.,Dickeya sp.,Pantoea ananatisであった。多くの細菌が40℃以上では病徴を発現しなかったが,Burkholderia spp.は40℃以上でも病斑の拡大が認められた。一方,Pectobacterium carotovorumの発病適温は25℃付近で,36℃以上になると病斑拡大は停滞した。糸状菌病では,乾腐病が28~30℃であるのに対し,黒かび病の発病適温が35~40℃と明らかに高く,鱗茎に高温障害を生じる44℃でも病斑が拡大した。10℃以下では一部の病原菌を除き病斑拡大が認められなかった。7~8月の高温多湿期に収穫期を迎える本春まきタマネギ栽培で注目すべき病害は,既往の主要病害に加え,Burkholderia spp.,Pa. ananatis,Dickeya sp.による細菌病,そして黒かび病と予想される。

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