インドネシア産ヒレナガゴイとニシキゴイとの交雑魚について

書誌事項

タイトル別名
  • Hybrids between Indonesian common carp and Nishikigoi, Cyprinus carpio

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説明

雑種強勢の把握を目的とし、ニシキゴイ(紅白・銀鱗三色)とヒレナガゴイ原種およびF1との交配を行い、その子魚の性状を調査した。原種との交配ではニシキゴイとして商品価値を有する個体がほとんどなかったが、F1との交配では斑紋魚出現率、優良魚出現率ともニシキゴイ同士の交配と同程度であった。0歳魚および1歳魚の成長率(体重)では原種交配群がもっとも高く、通常交配群の成長率が最も低かった。F1交配群は両者の間の値を示し、通常交配群より成績がよかった。体高・体長比、尾柄高・体高比、体幅・体長比を調査した結果、交配によっては有意な差が存在する形質が認められたが、外観的には著しい差異ではなかった。新穴あき病原因菌に対する耐性について、生残尾数を指標としたところ、原種交配群、F1交配群、通常交配群の順であった。以上のことから、ヒレナガゴイを利用した交雑は、色彩や体形の面ではF1の利用から通常交配群と大差なく、マゴイや中国産荷包紅鯉といったコイ品種に比べ、品種改良に必要な世代が短くて済むことが示唆された。なおかつ成長や耐病性の面での向上が図られることが判明した。

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