和歌山県におけるスギノアカネトラカミキリによるヒノキの加害実態調査

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation of damage by Anaglyptus subfasciatus PIC, on Japanese cypress (Chamaecyparis obtusa) in Wakayama Prefecture
  • ワカヤマケン ニ オケル スギノアカネトラカミキリ ニ ヨル ヒノキ ノ カガイ ジッタイ チョウサ

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抄録

スギノアカネトラカミキリの加害状況について,時系列等の詳細を明らかにするため,被害の多い本県南部地域でヒノキの割材調査を実施した。1. 樹幹内にも蛹室が作られており,1月時点で入口に木くずの詰まったその中に幼虫,蛹,成虫など様々な状態で確認され,必ずしも枯枝内で成虫越冬するわけではないことが明らかになった。2. 被害は早いものでは8年生から発生し,被害発生時期が早いほど被害の蓄積が進む傾向がある。3. 被害は地上高の低い位置から発生し始め,被害発生高は次第に鉛直方向に幅を拡げながら上昇してしく。4. 枝打ちによる高い被害予防効果が確認され,被害発生から5年以内に実施することで大きな被害を回避できると考えられた。5. 20~40年生のヒノキでは,樹幹頂端から3~7m部分に幼虫の多くが分布しており,さらに4~6m部分は最も幼虫の密度が高いと推測され,間伐時にそれらを搬出して利用することで,効率的に密度低下が図れると考えられた。

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