酵素で合成したグリコーゲンの生理機能研究とその利用

書誌事項

タイトル別名
  • Functional study on enzymatically synthesized glycogen and its application
  • コウソ デ ゴウセイ シタ グリコーゲン ノ セイリ キノウ ケンキュウ ト ソノ リヨウ

この論文をさがす

抄録

グリコーゲンはグルコースがα-1,4およびα-1,6グルコシド結合した球状の高分子であり,動物や微生物など天然に広く存在する。動物の貯蔵多糖として機能することが知られているが,一方で免疫賦活機能を有することが古くから報告されていた。我々は,国民の健康に寄与する素材として,グリコーゲンを産業的に利用することを考え,酵素を用いて植物原料からグリコーゲンを合成する方法を開発した。本方法で得られたグリコーゲン(ESG)は,天然のグリコーゲンと比較して,大きさ,形状,分岐構造など,種々の物理化学的性質が同等であり,かつエンドトキシン等の不純物の濃度が低かった。ESGは免疫賦活効果を有し,自然免疫受容体であるToll-like receptor 2を介してマクロファージ等の免疫細胞を活性化した。また,腸内環境改善効果や脂質代謝改善効果,肌質改善効果,認知機能改善効果など,様々な効果を有することがわかってきた。本稿では,グリコーゲン合成法の開発から,これまでに得られた生理機能研究および応用研究の成果について,現在取り組んでいる内容を含めて概説する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ