北関東における有機稲作優良経営にみる収益構造の事例分析

書誌事項

タイトル別名
  • Profit structure of organic rice farming: A case involving a family farm in the northern Kanto region of Japan
  • キタカントウ ニ オケル ユウキ イナサク ユウリョウ ケイエイ ニ ミル シュウエキ コウゾウ ノ ジレイ ブンセキ
  • 戦前期における農業生産要素投入量の推移に関する再検証 : フローとストックの差異に着目して
  • センゼンキ ニ オケル ノウギョウ セイサン ヨウソ トウニュウリョウ ノ スイイ ニ カンスル サイケンショウ : フロー ト ストック ノ サイ ニ チャクモク シテ

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抄録

有機農業の経営分析はこれまで研究が重ねられてきたが,有機稲作の収益性に焦点を絞って農業所得の確立について考察した論稿はまだ少ない。本稿は北関東の農村で6.8haの水田経営面積すべてで有機稲作を行っている事例を取り上げ,聞き取りに基づいて粗収益,費用,労働時間および所得などを算出し,既存の一般稲作や有機稲作の統計数値と比較分析を行ったものである。分析結果より,肥料と労働時間の投入を最小限とする有機稲作農法の下で,平均籾単収は437kg/10aと高くはないものの,経営費用の軽減により粗収益1千万円,夫婦2名による所得6百万円が達成されていることが確認された。この事例は有機稲作経営の1つの到達点と捉えることができ,それを可能にした要因は,極めて省力的な有機稲作農法の確立,農業機械の長期による使用,消費者への直接販売,補助金利用等での近隣農家との良好な関係構築の4点と見られた。

収録刊行物

  • 農村研究

    農村研究 (126), 1-15, 2018-03

    東京 : 食料・農業・農村経済学会

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