住吉派興隆と天台宗との関係について

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タイトル別名
  • The Relationship between the Prosperity of the Sumiyoshi School and the Tendai Sect
  • スミヨシハ コウリュウ ト テンダイシュウ トノ カンケイ ニツイテ

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抄録

住吉派は江戸時代初期に創設された新興の流派であるが、二代目具慶の代には将軍家の御用絵師に抜擢される。 本論は、同派興隆の理由を、天台宗との関係に焦点をあてて考察を加えたものである。同派は天台宗門徒であるが、初代如慶や二代目具慶は、尭然法親王や尭恕法親王より得度されている。かれらは天台座主であるとともに皇族の一員であり王朝文化の担い手でもあった。また、如慶が年少の頃、天海と知遇を得ていた可能性が高いこと、その後、同派の興隆を促す画事 (「東照宮縁起絵巻」 諸本・「元三大師縁起絵巻」、「慈眼大師縁起絵巻」) に天海が深く関与していたことを指摘した。 また、これまで紹介される機会の少なかった住吉派による天台宗関連作品を例に挙げ、同派の信仰や、当時の朝幕関係がその制作背景にあることを確認した。

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