メタンスルホン酸を触媒とする低級オレフィン類のオリゴメリゼーションによる軽油の選択的合成

説明

軽質オレフィンの有効利用を目的として,エチレン,プロピレン,1-ブテン,イソブテンのオリゴメリゼーションをメタンスルホン酸(MSA)を触媒として,高圧流通式反応器を用い,20℃から40℃の温度で250 min反応を行った。液状炭化水素を分離後,質量分析計のついたガスクロマトグラフで分析し,分子量分布からガソリン,灯油そして軽油に分類した。エチレンそしてプロピレンは,わずかにMSAに溶解したが,液状生成物は得られなかった。1-ブテンを原料にしたときの液状炭化水素の収量はイソブテンよりも少なくなった。また,生成した液状炭化水素は,ガソリンが少なく,中質油成分の選択率が大きくなった。 触媒の活性劣化と再利用を行うため,使用済み触媒を10回繰り返して反応を継続したが,ほとんど劣化は観察されなかった。これに対して,同一条件で濃硫酸を触媒としたとき,3回の繰り返しで炭化水素層と硫酸層が分離できなくなった。また,不純物の影響を調べる目的で,少量の水をMSAに添加するとオリゴメリゼーション活性が著しく減少した。 これらの結果より,MSAはブテン類を選択的に中質油に変化させる優れた触媒であることが分かった。

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