回路シミュレーションソフトを利用した「擬似実験による自学自習システム」

書誌事項

タイトル別名
  • A Self-Study System for Computer Simulated Experiments with Simulation Software
  • カイロ シミュレーション ソフト オ リヨウ シタ 「ギジ ジッケン ニヨル ジガク ジシュウ システム」

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抄録

本学部技術専修では、授業時間数の削減等により、電気分野のうち特に「実験実習に関する授業時間」を十分に確保できず、技術科教師として十分資質保証できないまま卒業生を送り出している現状がある。すなわち、彼らの大多数は、技術科教師として具備すべき電気計測器や電気部品の取り扱いの実際について、その実体験不足のまま教壇に立つことになるのである。また、この実体験不足が、多くの学生にとって、電気に関する理論の理解を深めることを阻害したり、理論を実際に活用する応用能力を困難にしたり、ひいては電気分野に対しての苦手意識や嫌悪感を誘引させていると思われる。授業時間数が削減された中で、これらの問題点を打破する方策は、授業時間外に自主的な電気実験実習や電気工作を彼らに促すことである。しかし、これは現実的な解決策にはなりえない。たとえば、知識が不十分で、かつ、実験操作に習熟していない初学者が指導者の不在のまま自学実験・実習することによる「電気事故」、「計測器の焼損」、「部品の消耗」などが十分考えられるからである。そこで、本稿では、これらを解決する方策の一つとして、回路シミュレーションソフトを用いた「疑似実験による自学実習システム」を提案している。さらに、そのシミュレーションソフトとして、TINAとEdisonを利用し、上述の趣旨のもとで本学部学生を対象にして試行授業を実施したので、その結果および本システムの問題点についてそれぞれ述べることにする。

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