狩野派・住吉派・板谷派合作の大英博物館蔵「竹林七賢人図」について

書誌事項

タイトル別名
  • Seven Sages in a Bamboo Grove by the Kano, the Sumiyoshi and the Itaya Schools in the British Museum
  • カノウハ・スミヨシハ・イタヤハ ガッサク ノ ダイエイ ハクブツカン ゾウ 「チクリン シチケンジンズ」 ニツイテ

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抄録

本論では、狩野永悳立信(1814~1891)、狩野探渕守真(1805~1853)、狩野探原守経(1829~1866)、住吉弘定(1793~1863)、板谷弘延(1820~1859)、狩野董川中信(1811~1871)、狩野勝川院雅信(1823~1880)の御用絵師七名が手がけた「竹林七賢人図」(大英博物館蔵)の中に、狩野探幽筆静岡県立美術館本・福岡市美術館本と共通する図様を見出し、本作品が探幽本の系譜に位置づけられることを確認した。また、落款や印章より制作年代を弘化元年(1844)から嘉永六年(1853)の間に限定し、七賢人の位置関係は、各絵師の画壇におけるポジションを反映していると指摘した。さらに、本作品は御用絵師七名が手がけているにも関わらず、厳格な公性が認められないため、嘉永元年(1848)における狩野永悳立信の家督就任を記念して制作されたと推測した。当時の御用絵師の制作状況を伺い知る意味で、本作品は貴重な存在ということができる。

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