マタタビ (Actinidia polygama (Sieb. et Zucc.) Planch. ex Maxim.) の自生地の立地環境と虫えい果サイズの地域間差

書誌事項

タイトル別名
  • Forest environment of the habitat community and regional differences in the gall size of Actinidia polygama
  • マタタビ Actinidia polygama Sieb et Zucc Planch ex Maxim ノ ジセイチ ノ リッチ カンキョウ ト チュウエイカサイズ ノ チイキ カンサ

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説明

木材以外の森林資源による地域振興を目指すため,本邦在来の薬用植物マタタビ(Actinidia polygama(Sieb. et Zucc.)Planch. ex Maxim.)の虫えい果について系統収集を行なった。自生地の環境を把握するとともに,虫えい果の形態,サイズ,収量の地域間差を分析した。虫えい果の収集系統数は長野県内4地域11系統,県外2地域2系統であった。県内11系統の自生地は標高520~1330m,地形は沢筋と斜面下部であった。正常果と比べ,虫えい果は2~3倍の果実重があり,果実長が抑制されて横方向に肥大する形状であった。虫えい果の平均果実重には有意な地域間差が認められたが,地域間差の主な要因は標高と考えられた。平均果実重と標高との関係は2次spline関数による回帰で説明でき,標高950m付近を境界として,標高の上昇とともに低標高域で増大し,高標高域で急激に減少した。採集効率(時間あたり採集可能数の対数階級値)を用いたところ,採集効率は平均果実重4~4.5gで最大であり,収量は最も多い系統の自生地で約500g・hr⁻¹と概算された。

収録刊行物

  • 信州大学農学部AFC報告

    信州大学農学部AFC報告 7 1-10, 2009-03-27

    信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター

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