公園をなくしたことは子どもたちにとってどういう経験だったか : 子どもの意見表明権と『心の声』

書誌事項

タイトル別名
  • What kind of experience for children what it is like to tear down a park? : The right to express those views of children and “voice of mind”
  • コウエン オ ナクシタ コト ワ コドモ タチ ニ トッテ ドウ イウ ケイケン ダッタ カ : コドモ ノ イケン ヒョウメイケン ト 『 ココロ ノ コエ 』

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説明

Rogoff(2003)は「コミュニティの社会的文化活動への参加のあり方の変容」を重視している.こうした観点から公園の保育園転用問題を考察すると,子どもはコミュニティの中で「公園を潰さないで」という声を上げるという形でコミュニティに参加しようとし,その経験をもって,子どもは社会参加について何かを学んだはずである.それは子どもの社会参加の発達に影響を及ぼす経験である.そこで本研究では,公園の保育園転用問題で意見をあげた子どもたちの「心の声」(Warch,1993)を半構造化面接により聞き取り、その経験の質を検討した.その結果、「子どもは,意見があっても言わないという選択を,おとなや地域のためにしている」という「心の声」が示唆された.子どもの権利条約で規定される意見表明権は、この「おとなを思い、意見を抑制する子どもの声」を現在すくい上げているだろうか.待機児童解消の必要性や保育所の拡大は、保育の質を保ち、政策に子どもたちの声を反映させながら行うことが重要である.

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